スタッフインタビュー第5弾:ジャパントラベルのビジュアル戦略を担うクリエイティブディレクター、Tom
Japan Travel
編集部
2025年7月28日
会社での役割/日本在住歴
クリエイティブディレクター / 日本在住歴13年
これまでの来歴を簡単に教えてください(職歴または学歴等)。
ジャパントラベルの共同創業メンバーとして参画する前は、教育、SEOやデータ分析、ウェブコンテンツ管理、デジタルコミュニケーション、フロントエンド開発など、イギリス外務省でのキャリアを含め、幅広い分野で経験を積んできました。現在はクリエイティブディレクターとして、クライアントおよび社内全体のビジュアルやブランディング戦略をリードし、幅広い分野で活躍する才能あふれるクリエイティブスタッフと一緒に仕事をしています。
座右の銘があれば教えてください。
「Enjoy the journey(旅を楽しもう)」——仕事でも家庭でも、あるいは旅先でも、人生はさまざまな挑戦を投げかけてきます。
私は一歩引いて、これまでいただいた機会に感謝し、今この瞬間を大切にするよう心がけています。日本で出会ったすべての人が私の旅の一部であり、それがジャパントラベルやインバウンド観光業界全体のために、これからもベストを尽くそうという原動力になっています。

追伸:日本の観光地はかなり魅力的ですよ。
日本の訪れて一番好きだった場所は?
日本の多くの都道府県を訪れる機会に恵まれましたが、どの地域にも訪れる人にとって特別な魅力があります。

これこそが、インバウンド観光を通じて日本には明るい未来が待っていると信じる理由の一つであり、その実現に貢献したいという私自身のモチベーションにもなっています。

振り返ってみると、私の日本での旅の始まりは広島でした。そこで教師として働いた経験があり、この街は私にとって特別な存在で、まるで第二の故郷のように感じています。晴れた日の宮島で潮風を浴びながら、地元の牡蠣を味わった思い出を、今でもよく思い返すことがあります。

お気に入りの息抜きスポットや週末の過ごし方を教えてください。
週末は主に家族と過ごしていて、子どもを連れて出かけることが多いです。たまに友人とフットサルをしたり、自分の小さな畑で野菜作りに挑戦したりもしています。
以前はよくハイキングをしていて、そのなかでも各地の個性豊かな温泉を見つけるのが楽しみでした。日本の露天風呂文化は、心も体もリフレッシュできるのでぜひおすすめしたいです。
クリエイティブチームディレクターでありながら、Japan Travelのサイト運営や複数の役割を担う中で、変化の激しいメディア環境に対応しながら、どのようにして常に新しいトレンドや技術を取り入れ、クリエイティブな発想を保ち続けていますか?
テクノロジーとメディアの世界は常に進化しており、AIやWeb3の台頭によって、その変化のスピードはさらに加速しています。私たちは、日々変化するトレンドや業界の最新の動向に常に目を向け、柔軟に対応するよう心がけています。専門性の高いチームに囲まれながら、新しいツールや視点、革新的な働き方も積極的に取り入れるよう努めています。この柔軟性、多様性、そして新たな試みへの意欲こそが、私たちの強みだと考えています。こうした変化の一例が、AIによるSEOへの影響です。今後はページランキングの重要性が薄れ、LLM(大規模言語モデル)への最適化や、AI言語モデルに好意的に引用されることで可視性を高める「GEO(Generative Engine Optimization)」が重視される可能性があります。
私は「考え抜かれたデザイン」に刺激を受けます。それは、あまりにも自然に機能するため、気づかれないことも多いものです。誰もが直感的に使える、シームレスな体験をしたことはありませんか?それこそが、私がジャパントラベルで目指すデザインの本質です。形と機能のバランスを取り、努力を感じさせないシンプルさを追求しています。本当の課題は、使いやすさを追求するだけでなく、感情に訴えかけるビジュアル体験を重ねること——人々を惹きつけ、ワクワクさせ、インスピレーションを与え、最終的に日本や各地域を訪れたいと思わせるような体験を創り出すことです。
また、私の原動力のひとつは、自然環境や持続可能性への取り組みなど、私たちを取り巻く世界そのものにあります。こうした価値観が、より賢く責任ある働き方を追求するモチベーションになっています。そうした想いもあって、今年初めにチーム全員で「Travelife Partner(トラベライフ・パートナー)」の最初の節目を迎えられたことを、特に誇りに感じています。
今後のクリエイティブチームとしての展望や、あなた個人として挑戦してみたいことがあれば教えてください。
私のチームはこれまで確かな実績を積み重ねてきました。今後は、私たちの取り組みをさらに多くの新しい、より幅広いオーディエンスに届けるとともに、私たちの志にふさわしい規模へとチームを成長させていきたいと考えています。その鍵となるのが、クリエイティブスタジオ(弊社メディア部門)と旅行会社の連携による新たなシナジーの創出、そして業界内の他者とのつながりだと思います。国際的な視点を必要とするデザイン、PR、広告代理店との新たなコラボレーションにも積極的に取り組みたいと思っています。
観光業界における私のビジョンのひとつは、地域間の連携を強化する共通の統合プラットフォームの実現です。予算規模には大きな差がありますが、どの都道府県にも公平なチャンスが与えられるべきです。最適化され、誰もがアクセスしやすい、現代的なウェブサイトの構築がその鍵となります。結局のところ、ユーザーが求めているのは毎回同じで、Googleの調査でも示されているように、「夢見る」「計画する」「予約する」「体験する」「共有する」という旅行の各段階に合った、明快で直感的な体験なのです。戦略の統合、予算の効率化、インフラの共通化は、ユーザーだけでなく日本の納税者にもメリットがあります。一方で、デザイン面での工夫によって、各地域が独自のブランドや個性を維持し続けることも可能だと考えています。
また、日本政府が市民サービスの分野でも同様の方向性を目指していることに期待しています。日本は「ハイテク国家」というイメージが強い一方で、現実には人と紙に依存した古い官僚的なシステムが残っています。近年はデジタル化が進みつつあり、今後の展開に大きな期待を寄せていますが、まだ課題も多いのが現状です。たとえば、イギリスでは運転免許の更新がオンラインで5分で完了しますが、日本では仕事を休んで警察署に出向き、講習を受けなければなりません。
私たちのチームは観光分野にとどまらず、医療テクノロジーや物流など幅広い分野で国際的なウェブ開発の実績を積んできました。私自身もイギリス政府でのデジタル行政経験を活かし、日本が「デジタル・バイ・デフォルト(行政サービスを可能な限りデジタルで提供する方針)」へと移行する中で、市民向けサービスにも貢献したいと考えています。特に高齢化が進む日本社会においては、オンラインでのアクセシビリティの向上が不可欠ですし、言語の壁を越えた誰もが利用しやすい環境づくりも、素晴らしい目標だと思います。
ご自身のソーシャルメディアのリンクを併せて掲載したい場合はお知らせください。
LinkedInでのつながりを受け付けていますので、ぜひお気軽にご連絡ください。また、私のポートフォリオサイトwww.tomroseveare.comからも、これまでの経歴や実績をご覧いただけます。
注目のチームメンバー

クリエイティブ・ディレクター(CD)