近年、世界的なツーリズムトレンドとして注目を集めているのが「ウェルネスツーリズム」です。ただ観光地巡りをする従来の観光旅行とは異なり、スパや温泉、瞑想、自然体験など、様々なプログラムを通して、心身の健康増進やストレス解消を目的とした旅行形態です。コロナ禍以降、健康志向の高まりやリモートワークの普及により、その需要はますます上昇しています。モノからコトへの消費傾向の変化や、長期滞在型旅行者の増加も、このトレンドの拡大に寄与しているでしょう。

Global Wellness Institute は、ウェルネスツーリズムを個人の健康の維持または向上の追求に関連した旅行と定義しています。ウェルネスツーリズムは、旅行者にとっての健康増進だけでなく、地域経済の活性化や環境・文化保全にも貢献することが期待されています。本記事では、ウェルネスツーリズムがどういった役割を果たし、どのような事例があるか、紹介していきます。

国際ツーリズムトレードショーより

革新的なウェルネス体験

ウェルネスツーリズムの先進事例として、アメリカ・アリゾナ州のミラバル リゾートがあります。ここでは、「ホース・ウィスパリング」というプログラムを含む多様なウェルネスプログラムが提供されており、馬とのコミュニケーションを通じて自己発見やセラピー効果を体験できます。

このように、ウェルネスツーリズムの魅力のひとつは、訪れる人々が自然と調和しながら、深いリラクゼーションと内面的な癒しを提供してくれる点にあります。日本国内でも、温泉やスパ、ヨガ、ハイキングなど、多様なウェルネスプログラムを提供する宿泊施設が増えています。特に温泉やサウナは、古くからの文化を尊重しつつ現代のニーズに合わせて進化し、スパ・ヘルスケア施設として再評価される中で、人々の心身のバランスを整える役割を果たしています。

弊社のインバウンド向けメディアでも、ウェルネスプログラムを提供する宿泊施設やアクティビティ、レストランの情報を紹介しています。ぜひご覧になり、次の旅の参考にしてみてはいかがでしょうか。

Wellness Travel in Japan’s Northern Alps（英語）

多様化するウェルネスプログラム

筆者撮影：国際ウェルネスツーリズムEXPOにて

ウェルネスツーリズムは、自然や文化体験との融合の域にとどまらず、予防医療や健康増進を重視した新しい形態へと進化しています。最近、東京で開催された国際ツーリズムトレードショー「ウェルネスツーリズム EXPO」では、ヨガやスパを併設したリゾート施設、禅体験、医療特化型の宿泊施設など、幅広いプログラムが注目を集めました。今は都市部でもウェルネスプログラムが普及し、スパやフィットネスクラス、ヘルシーレストランなど、忙しい日常の中でも健康を維持できるサービスが提供されています。ウェルネスツーリズムは、都市でも地方でも、多様なニーズに応える形でどんどん広がっているのです。

最後に

ウェルネスツーリズムは、健康増進とリラクゼーションを同時に実現する新しい旅行スタイルです。次の週末には、自然の中や都会のオアシスで、自分に合ったウェルネス体験で日常の疲れを癒してみてはいかがでしょうか。長期休暇が取れる機会があれば、ぜひウェルネスツーリズムを取り入れて、心地よい豊かな旅をお楽しみください。