JT 編集部
2025年1月15日
<はじめに>
JapanTravel株式会社は、インバウンド向けのWebメディアとしての印象が強いですが、実はインバウンド専門の旅行代理店(以下、TAチーム)としても幅広く活動しています。個人旅行客から大規模なMICE(Meeting, Incentive, Convention, Exhibition)の手配まで、多岐にわたるサービスを提供しています。本コラムでは、弊社TAチームの実績をもとに、訪日観光客の動向について詳しく考察していきます。
<実数からみる訪日観光客の動向>
昨年9月から今年9月までの期間、弊社TAチームでは約450件のツアーを取り扱いました。主な客層は欧米豪からのお客様であり、個人・家族旅行から団体旅行まで多様です。新型コロナウィルスによる入国規制が解除されたことに加え、円安の影響も相まって、遠くヨーロッパの国々においても訪日観光が経済的に容易になりました。この結果、2019年以前よりも多くの取扱件数を達成しています。
弊社のお客様の平均滞在日数は17日で、JNTOが発表しているデータとも一致しており、特に欧米豪からの訪日観光客は、アジア諸国に比べて長期間滞在する傾向が見受けられます。実際、弊社のお客様は東京を起点に、広島、長崎、北海道など、遠方へ3ヶ所以上を訪れることが多いです。
引用:観光庁 2023年年間訪日外国人消費動向調査
では実際に弊社のお客様がどの地域への訪問が多いのか、上位10箇所をまとめてみました。
東京: 訪日観光の定番。空港がありアクセス抜群。新幹線で他県へも簡単に移動でき、観光の拠点として便利です。
京都: 歴史的な寺院や庭園が広がり、欧米豪の観光客にとっては非日常感あふれる人気スポットです。
大阪: ユニークな食文化やナイトライフ、USJで人気。九州や中国地方へのアクセス拠点としても便利です。
広島+宮島: 厳島神社やしまなみ海道サイクリングなど、日本文化と歴史に触れる体験が魅力です。
箱根: 温泉と自然を楽しむリゾート地。初めての温泉体験に最適で、東京からのアクセスも良好です。
金沢: 歴史、文化、自然が調和するコンパクトな街。訪日リピーターに人気の隠れた名所です。
飛騨高山: 古い街並みがタイムスリップしたような感覚を味わわせ、街全体がテーマパークのように楽しめます。
日光: 温泉や紅葉が美しく、東京からの日帰り旅行に最適な人気スポットです。
河口湖: 富士山の絶景と温泉を楽しめる四季折々の自然が魅力。東京からのアクセスも良好です。
北海道: 四季を通じて自然美やグルメ、ニセコのスキーや温泉が楽しめ、冬のシーズンは特に大人気スポットです。
さらに、意外にも人気を集めているのが「飯山」です。長野県飯山市は、日本人でも馴染みのない方が多いかもしれませんが、田園風景に触れることのできない欧州からの旅行者にとって、自国では味わえない独特の魅力を提供しています。アドベンチャーツーリズムやガストロノミーツーリズムを重視する欧州客にとっても最適な場所であり、温泉や冬季のスキーも楽しめます。市街地では、地元の飲食店で地域の人々と交流することも可能です。東京からは少し離れていますが、より深い日本体験ができるため、欧州からの旅行客が求めるものがすべて揃っています。今後、”IIYAMA”がホットスポットとなる可能性は十分にあると見ています。
<今後の展望>
現在、NetflixやYouTube、Instagramなどのサービスの普及に伴い、日本のコンテンツが世界中に広がり、訪日観光への興味が高まっています。多様なコンテンツを通じて、日本の文化、食、自然、独自のライフスタイルが紹介され、世界中の旅行者を魅了する新たなトレンドが生まれています。
このような背景の中で、訪日観光はますます活況を呈しています。「日本は思ったより大きい」というのは、多くの訪日観光客が抱く感想の一つです。一度の訪問では日本の魅力をすべて堪能することが難しく、これが訪日リピーターの増加を促しています。多様な文化、自然、食、歴史が共存するこの国は、訪れるたびに新たな発見が待っており、旅行者にとって無限の魅力を提供しています。今後、訪日リピーターが増加することが予想され、日本の観光業はさらなる活況を迎えることでしょう。
参考文献
資料
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PDF, 16.6MB
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