牛尾 晃汰
広報/PR
2019年12月26日
皆さんの住む街で最近外国人を見かけること、実際に住んでいる人が増えたということを感じたことはあるでしょうか。別記事でもご紹介したように、現在日本ではビザの緩和、改正出入国管理法等施策によって年々在留外国人の数は増えています。今回は日本が移民大国だったことや、在留外国人がどうインバウンドに貢献しているかを見ていきましょう。
〈実は移民大国だった日本〉
びっくりですよね(笑)。 外国人の数が増えているとはいえ、日本が「移民大国」だと感じたことは少ないでしょう。実際に私たちがイメージする移民大国は「アメリカ」、「ドイツ」、「イギリス」といった国ではないでしょうか。
ところがOECD国際移民データベースによると、日本の外国人人口流入数(有効なビザを保有し、90日以上在留予定の外国人)は、2015年に39万1,200人で世界第4位になりました。そしてその2015年当時、過去最高と言われた在留外国人数146万人を優に超え、今日その数は300万人に突入しようとしています。(2018年:273万人)
私は今後、政府が目指す訪日外国人数6000万人を2030年に達成するためには、在留外国人の力が不可欠だと考えています。
〈在留外国人こそ真のインフルエンサー?〉
日本とフランス、スペイン、アメリカを始めとした観光大国の違いはどこにあるでしょうか。そして多くの観光大国には共通点があります。
その共通点とは「移民大国」であることです。少し視点を変えてみましょう。なぜ我々日本人にとってアメリカは人気な観光地なのでしょうか。アメリカに魅力があることはもちろんですが、私はアメリカに住む日本人の力も大きく影響していると考えています。2017年外務省によると、海外に住んでいる日本人は135万人にもなります。そして内、42万人強はアメリカに住んでおり(うち永住者19万2,766人)「世界一日本人が住んでいる国」になっているのです。
私がここで共有したいことは「ローカルの口コミ力」です。皆さんのお子様、ご友人が外国にいると「1度は行きたい」となるのではないでしょうか。そしてローカルの情報は、どの情報よりもリアルで、旅行意欲を高めてくれます。
ローカルを知る在留外国人が増えることにより、「オーガニックなインフルエンサー」が生まれ、より多くの外国人旅行者が旅行先に日本を選ぶのではないでしょうか。日本が観光大国になるには「移民大国」になることが不可欠なのです。
〈実際に聞いてみた〉
実際にどのように在留外国人が、外国人旅行者を取り込めるのをジャパン・トラベルスタッフに聞いてみました。
【協力】
人数:5人(ジャパン・トラベル)
国籍:フランス、イタリア、ドイツ、タイ、アメリカ
Q1, 友人、家族、恋人が日本に来たことはありますか?
Yes:4人 / No :1人
Q2, [Yesと答えた人] 何度、あなたを訪れに日本に来ていますか?(友人、家族、恋人を含む)
1回: 2人
2回: 1人
3回以上:1人
Q2, [Noと答えた人] これから友人、家族、恋人の来日予定はありますか?
Yes
今回はどれだけ在留外国人が影響するかを証明するのに、十分な数の回答は得られませんでしたが、ほとんどの人が1度は在留外国人を訪れに日本へ来ていることがわかりました。
〈私たちにもとめられること〉
都市部よりも、地方の方がより在留外国人が増えることの恩恵を受けるのではないでしょうか。労働力、そして自身の街をPRしてくれるインフルエンサーが住んでくれるのだから。
しかしそのためには、市民レベルでのインバウンド対応が必要です。主観ですが、今まで見てきた地方の現状を踏まえ1番大切なことは「異文化や異なる文化をもつ人々を受け入れし、共生しようとする姿勢」だと思います。
また良く外国人が日本に来た時に1番感じることは「距離感」と「人として扱われていないと感じる(英語の練習相手としか思われていない)」だと言われています。都市部、地方共に今後より外国人と上手く「共生」していくことが「観光大国」になるために最も重要なことかもしれません。
参考:
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