牛尾 晃汰
広報/PR
2020年10月29日
アメリカのジョブズ・ホプキンス大学の報告によると(2020年10月26日午後4時時点)世界全体の感染者は累計4,300万人、死者115万人に上ったと発表しました。そして現在、アメリカ・ヨーロッパ諸国を中心に新型コロナウイルスの感染が再拡大しています。
日本でも既に外国からの入国制限を1部規制緩和しており、海外からの往来が増えつつあること、そして政府は2021年4月から外国人観光客の入国を検討している中での欧米諸国を中心とした感染の再拡大。私にとっても他人事ではない欧米諸国では今何が起こっているのでしょうか。今回はまさに感染第2波の中にいる欧米諸国の感染者と各国の対応について見ていきしょう。
まず、なぜ欧米諸国ではコロナウイルスの感染が再拡大したのでしょう。一言でまとめると一種の「燃え尽き症候群」だと推測しています。多くの欧米諸国は第1波終了後に隣国への旅行、飲食店の深夜営業など経済活動を再開しました。「日常生活に戻れるかも」という期待が大きかった分、反動としてマスクの着用、ソーシャルディスタンスを保つなどの新しい生活様式に戻ることができず感染が再拡大したものと見られます。
【各国の感染者状況及びコロナウイルスへの対応】
アメリカ・・・世界最多となる累計感染者数863万人、死者22万人超。そして0月23日には過去最多となる1日あたり8万人の感染を確認したアメリカでも現在、西部や中心部を中心とした地域で感染が拡大しています。大統領選挙を控えていること、トランプ大統領も経済活動を止めないとして今も感染拡大が広がっています。
その中ニューヨークには長さ30mにも及ぶトランプ大統領が任期中についた嘘を並べた「ウソの壁」が登場。その数はおよそ2万件にも上り、最近の嘘は全て「新型ウイルス関係」によるものだと言われています。
スペイン・・・10月26日2度目の非常事態宣言を発表したスペインでは累計の感染者がフランスに次ぐ100万人を超え、感染の再拡大が深刻化しています。23時から6時までの夜間禁止、そして首都マドリードでは仕事などの特別な要件を除きマドリード市への出入りを禁止するなどの対策が取られています。尚、今回の非常事態宣言は最長2021年5月まで継続する見通しを発表しています。
フランス・・・ヨーロッパの中でも再拡大が深刻なフランスですが累計の感染者がヨーロッパ最多の114万人の感染が確認されています。そして10月21日、1日あたりの感染者数が5万人を超えるなど今なお感染拡大の歯止めが効かない状態です。この状況にフランス政府は2度目の非常事態宣言を宣言。10月17日から最大4週間21時から6時までの夜間の外出禁止を命じ、違反者には日本円で1万7,000円(*10月15日時点)の罰金処置を取っています。
イギリス・・・10月21日、1日あたりの感染者数が過去最多の2万6,688人の感染が確認されたイギリスでは各地域こどに厳しい感染対策が取られています。マンチェスターではパブやバーの休業を命じ、ウェールズでは23日から飲食店や薬局を除く商店の営業を2週間禁止を命じています。他にも屋内で同居家族以外の人と会うことを禁止しています。
チェコ・・・9月から感染者が急激に増えているチェコでは同政府は10月21日から店舗閉鎖などロックダウンを実施することを発表。期間は10月22日から11月3日まで。
いかがだったでしょうか。欧米諸国では感染の再拡大が深刻しています。しかし第1波の頃と違う点もお伝えいたします。それは「死亡率」が激減した事です。
【死亡率が下がった3つの要因】
なぜ死亡率は低下したのでしょう。主な理由として下記の3つがあげられます。
検査数の増加(イギリス:1日あたり3万件から30万件まで増加)、(フランス:重症者のみ検査から希望者全員が検査を受けれるように)
高齢者の感染率低下(施設などの検査を徹底)
医療体制向上(早期に発見、処置の徹底)
日本でも経済活動を再開し、コロナと共に生きる「withコロナ」の意識が日に日に強くなっているのではないでしょうか。しかし依然として欧米諸国に比べてPCR検査数は低水準です。
そのため私たちには、より徹底した手洗い・うがいなど個人の可能な限りの感染予防が求められます。
2021年4月に外国人観光客は日本へ入国できるのか、ひいてはオリンピックの開催はできるかなど他国のコロナウイルス感染状況から目が離せません。
注意:本コラムの情報は執筆時点2020年10月29日時点の情報となっています。
参考:
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