日本でも、7月26日からワクチンパスポート発行が開始

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今月26日から、ワクチン接種を終えた日本在住の人が海外に渡航するための、ワクチン接種証明書の発行が全国の市区町村で始まりました。この証明書は広く「ワクチンパスポート」とも呼ばれており、提示によって、海外入国時の隔離措置や防疫措置が免除されます。NHKの取材によると、既に一部の市区町村窓口には申請者が列を作っているようです。

ワクチン接種済みの人に満遍なく情報がいきわたるよう、様々な工夫もされています。例えば品川区のように郵送でも申請が出来る市区町村もあり、現在日本に住んでいる人であれば国籍に関係なく申請することができます。

ヤフージャパンも、この接種証明書についての最新情報をまとめた、こちらのウェブページを開設しています。現時点では日本語のみの案内ですが、申請対象となる人、申請方法、さらに厚生労働省・外務省による公式情報に飛べるリンクまでシンプルに分かりやすく記載されているのが特徴です。

7月30日現在、外務省公式サイトによると、日本国内からの海外渡航時に上記の接種証明書が有効となる国々は、イタリア、オーストリア、トルコ、ブルガリア、それにポーランドの5か国のみとなっています。その他の国々や地域についても、方針が固まり次第当該ページを更新していくとの事で、まだまだ目が離せません。

高まる経済界からの期待、普及の見込みは?

経済界からも、高い期待が寄せられています。十倉雅和経団連会長は、「今の日本の社会、経済を元に戻すための有力なツール」と予想しているようです。加藤勝信官房長官も、「ワクチンパスポートは防疫措置の一部緩和に活用し得る」として、前向きな姿勢を見せています。

ただし、この接種証はあくまで導入されたばかりの段階で、日本国外「双方からの」人の往来が直ちに自由になることを確約するものではないといえます。厚生労働省の公式ウェブサイトでの特設ページでも記載があるように、証明書を持っている人が、日本へ入国する際に防疫措置が緩和されることは、現時点では無いためです。

ワクチン接種証普及のために、慎重に考慮すべき事項は多く存在します。その一つに、「人の多く集まる公共の場において、導入をどう進めるか」が挙げられます。スポーツジムなどでの導入を訴える声もありますが、そもそもアレルギーなどの特別な事情により接種を受けられない人もいます。厚生労働省は、こうした点を踏まえ、「現時点では」経済活動に利用することは検討していないとしています。

国際的な人の移動の活発化による、持続的な経済的効果を実現させるには、日本はまだスタート地点に立ったばかりと言えるでしょう。

世界での接種証導入例:デンマーク

ここで、世界のワクチン接種証導入の流れに、目を向けてみましょう。7月1日から、欧州連合では、EU域内で国境を越えて移動する際の検査等が免除されるワクチンパスポート(証明書)が導入されました。この証明書は、すべてのEU居住者や、特定のカテゴリーの第三国からEU域内を訪れる観光客を対象とします。

実は、そんな国際的組織である欧州連合よりも早く、独自のデジタルワクチン接種証を導入した国があります。世界有数の福祉国家、デンマークです。今年5月6日の時点で、デンマーク政府はスポーツジムなどの利用条件として接種証を導入しています。アプリを通じて接種証を提示すると、過去72時間に陰性だったこと又は免疫があることを、証明する事ができます。

さらに、デンマークはEU圏内でも、検査率が最も多い国の一つです。検査は無料で受けられるということもあり、ドイツの国際的メディア・DWによると、デンマークでは毎日50万人が検査を受けているようです。

ただし、そんなデンマークでも、接種証導入における課題は浮き彫りとなっています。まず、個人情報の保護です。デンマークの接種証はモバイルアプリを使用するため、国民は名前、年齢、検査結果などの個人情報を登録しなければなりません。データベースは、ウイルスが流行した際に行政が円滑に対応できるよう、地元政府に直接共有されます。

行政と、こうしたデータ提供の分野で協力してきたカミヤ・グレゴリーソン氏は、「データ・セキュリティは何があっても守られるべき事項。パンデミックという特殊な状況下でも、そうした根本的方針は変わらない」と強調します。データが共有される組織と、その目的を明確にし、国民の理解を得ていく必要があるでしょう。

次に、ワクチン接種率の格差問題が挙げられます。「検査が無料のデンマークでも、ワクチン接種や検査率の格差が現れる事もある」と、コペンハーゲン大学で法学を教えているカトリーナ・オ・カタオイル氏は述べます。インフラの発達した都市部と、そうでない農村部における、接種のしやすさといった環境的要因や、長時間労働、子育てなどで時間がないといった生活要因が、こうした格差の原因になり兼ねないようです。

ワクチン接種を普及させるためには、万人が安心して接種を選択できるようにすることが欠かせません。日本においても適切に接種証を広めることで、ゆくゆくは経済活動再開への切り札となることを祈るばかりです。

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